作業の「間」にあるものは
こども教室での作業の様子です。
粉に水を入れて、混ぜて、捏ねて、
作業は一人ずつですが、テーブルを囲んで一緒に進みます。
ぱんだぬきの教室は毎月同じクラスで通ってもらう形式です。
初めての生徒さんがクラスに入ってくるときには
自己紹介をします。
学校や学年や性別がバラバラでも、一つのテーブルで
一緒に作業し、一緒におやつを食べ、おしゃべりをして
段々に仲良くなります。
知らなかった者同士も一緒に遊ぶようにもなります。
こどもパン教室は知的刺激の宝庫
子どもたちは子どもなりに共通の話題を探します。
自然に仲間はずれが出ないように共通項を探すのです。
たとえば。
先日、百人一首の盛んなクラスでのことを書きました。
また同じ学年で、学校が違うと
授業の進度の話になることも多いです。
「50問テストどうだった?」
「合奏は何の楽器やってる?」
「ピアノは難しそうだからオルガンにしたら難しい」
「メトローむ ?」
「それは楽器じゃないでしょう?」
ぱんだぬきはメトロノームを出して来て見せ、
振り子のことや拍子の説明をします。
「今、社会は何やってる?」
「う~~ん、源!」
「ぼくは鎌倉」
「え~~もう鎌倉?」
「義経って平安だよね?」
授業で聞いても興味の持てないことでも、
こうしてテーブルを囲んで会話にすることで
いろんなことが定着して行くのを感じます。
ぱんだぬきも一緒に作業するので会話に入れてもらいます。
「義経は京の五条の橋の上で弁慶に会うよね?」
「でも源頼朝の墓は鎌倉にあるよね。」
「鎌倉に遠足は行かないの?」
「津波が来るから、無くなった」
「津波が来るの?」
・・・・
どんどん話が広がります。
学びは「間」にある
パン教室での子どもたちの学びは
パンの作り方だけではありません。
仲間との会話のなかに隠れている
知的好奇心を刺激する「間」こそが、学びの場です。
子どもたちの真ん中にあるテーブルであり、
作業と作業の間の隙間時間です。
色々なことを知っているのは楽しい、
会話を通して知識を高めていく
コミュニケーションの土台が
こうして育って行くのだな、と思います。