うつせみキッチン パン教室ブログ

自己肯定感を高めるこどもパン教室20年のうつせみキッチン。東京・東池袋教室は大人や講師養成、プライベートレッスンも。

こどもパン教室を始めたころのお話

緊急事態宣言で時間がぽっかり空いたので

こどもパンのレシピや以前の写真を見返しています。

懐かしい笑顔の写真や

お蔵入りになったレシピもあり

感慨深いです。

 

 

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これは平成15年のパン教室のクリスマス会の写真です。
始めて3年目くらいでしょうか。

まだ生徒さんも少なかったし、

多くの子どもたちも今ほど忙しくなかったので、

手作りのお菓子やケーキを用意してクリスマスソングを歌ったり、

出し物をしたりのクリスマス会をしていました。 

 

今日は昔話を書きますね。 

20年ほど前、

子どものためのパン教室を始めたころのお話です。

上の子が小学生の真ん中の子が幼稚園で

一番下の子がもうすぐ幼稚園という頃、

私は、幼稚園の今でいうママ友さんのサークルで

月一回の料理教室をしていました。

 

20~30人のサークルで、

公民館の調理室を使って

味噌の仕込み、バレンタインのお菓子作り、

ピザやパンの教室、パーティー料理、

夏休みに便利なランチ向け麺料理、

中華料理、手前みそのもちより会など。

ジャンルは広く、何でもありで

子どもが幼稚園に行っている間の3時間ほどで

みんなで楽しい時間を過ごすものでした。

 

私は毎月レシピを書き

幹事さんに買い物を依頼し、

当日は講師をしていました。

 

そんなころのある夏休み。 

料理教室の生徒さんに頼まれて

お子さんたちにクッキーやマドレーヌを

自宅でお教えしたことが子ども教室の始まりでした。

 

マドレーヌやクッキーは混ぜて焼くだけで

一時間もあればお菓子が出来上がりました。

始めてパンを焼いた時はピザだったかな?

それも短時間で何とかなるものでした。

 

その一回に来たお子さんのお母さまから

「毎月続けてはもらえませんか」

とお申し出頂いたのが、私の子どもパン教室の始まりです。

 

子どもむけパン教室は大人向け教室のおまけが多く

出来上がった生地の成型から始まって

お手本と同じように焼くか、

粘土の様に好きな成型をするだけのことも多いようです。

 

でも、パンには子どものお稽古ごとにするのに

よい側面がたくさんあるのです。

造形教室と音楽教室とを足して二で割ったような感じでしょうか。

大人のおまけではもったいないと思いました。

 

でも、パン作りには時間がかかって

放課後のお稽古事とするには無理がある。

そこで、こどもパン教室のために特別なレシピを

用意する必要がありました。

 

ちいさな、暖かい手でも捏ねられるパン。

一人で全工程を短時間に体験できる時短レシピ。

本当のパン製造の流れは変えないこと。

お店に並ぶようなワクワクするパン。

そんなパンを作らせてあげたいなと思いました。

 

 

 

そう思って、たくさんのレシピを書いてきました。

最初、低学年のお子さんだけで始めたころは

毎月レシピづくりに追われている感じでした。

出来立てほやほやのレシピでの教室は

段取りも悪く、しばしば90分をオーバーして

お迎えのお母さま方を甘田瀬したことも何度となくあり。

 

だんだんに段取りもよくなり、

焼きたてのパンをもって写真を撮って

その写真をレシピに貼り付けて印刷しても

ちゃんと90分に収まるようになったのは

始めて5年くらいたったころからだったでしょうか。

 

90分のパン作りでも

一次発酵、二次発酵、焼成の三回の間があり

その間をどう過ごすかも、子どもパン教室の大事な要素です。

 そには学びを詰め込むことができます。

 

pandanukitchen.hatenadiary.jp

 

 

 

そして

柔らかいパンも、固いパンも

食事パンも、甘いパンも、お総菜パンも、

一通り経験したうえで、

高学年の子どもたちにはレシピ作りも

経験してもらいました。

3か月かけてレシピを書いて

最終的には自分のレシピでパンを焼くのです。

 

自作レシピでパンの焼ける子どもパン教室なんて

 ココだけなんじゃないかなあ、と

内心、大きく胸を張っているのです。

 

pandanukitchen.hatenadiary.jp

 

 

お稽古事は子どもの学びを後押しするものなので

お手本通り焼くことは極端な話、必要ないのです。

 

大事なのは

稚拙でもいいので、全部を自分の手で作ることや

こどもの思い付きの工夫を生かせること、

自分だけのパンを作り上げて達成感を味わうこと、

美味しいパンを持ち帰って家族に喜んでもらうこと。

 

そして、クラスメイトや講師とのやり取りから

パンとは直接に関係のないコミュニケーション能力や

自己肯定感や自他をともに尊重することなど

沢山の事を学んでほしいと思うのです。

 

実際、

自由度の高いパン作りで具材を選ぶことから

自分の作ったパンに責任を持つことも覚えますし、

食べてくれる人の好みに配慮したパンを作っていきます。

 

小学校1年生から6年生の体も心も大きく成長する6年間に

「パンの先生」として関われることは私の大きな喜びです。

(だからお休みはさみしくて・・・)

 

20年近くの間、この子どもパン教室をやってきて

過去を振り返って、

このままコロナに負けてしまってはいけない、

と強く思うようになりました。

 

 

はやく、また90分の、

子どもたちが学びあえる教室が出来る日が来ることを

切に願わずにいられません。

 

そのためにもうしばらくの辛抱。

感染対策をがんばりましょう。